テリーヌ型をサイズから選ぶ
テリーヌ型を選ぶ時に一番大事なのは、テリーヌ型のサイズです。
テリーヌ型にただ詰めるだけの料理なら、テリーヌ型の大きさは関係ありません。がしかし、火入れをするテリーヌを作るなら、ご家庭であれ、飲食店の厨房であれ、オーブンの庫内のサイズに合わせてテリーヌ型を選ぶ必要があります。
なにはともあれオーブンの庫内のサイズを測るところから始めます。
多くのテリーヌが湯煎で火を入れます。なので、湯煎にかけるバットにテリーヌ型を入れた状態で、オーブンにちゃんと入るかどうかをチェックしておかなければ、せっかく買ったテリーヌ型がオーブンに入らない!なんてことにもなりかねません。
気をつけなくてはいけないのが、テリーヌ型の販売ページなどに書かれているテリーヌ型の「サイズ」は内寸(テリーヌ型の内側のサイズ)だったり、外寸と書かれていても、テリーヌ型の持ち手の部分やフタの部分が入っていなかたりすることです。
当サイトでは、テリーヌ型の実物のサイズを測って載せていますので、購入する際の参考にしていただければと思います。



テリーヌ型の価格の違いは素材の違い
ル・クルーゼやストウブのテリーヌ型
多くのプロの料理人が愛用しているル・クルーゼやストウブのテリーヌ型は、けっこうなお値段がします。小さなサイズのものでも1万円を超え、大きいサイズの中には2万円を超えるものもあります。
なぜこんなに高いのかといいますと、ル・クルーゼやストウブのテリーヌ型は、鋳物(いもの)でホーロー加工されているからです。
鋳物とは、型に溶かした金属を流し込んで作ったもので、日本でいうと南部鉄瓶などと同じ作り方で作られています。鋳物は耐久性と保温性に非常に優れていて、素材にじっくりと均一に火を入れることができるのです。
しかし、鉄などでできた鋳物は錆びやすく、お手入れがちょっと面倒くさい。そこで表面はホーロー、つまりガラスでコーティングすることでツルツルで錆びにくいように加工されています。ガラスといってもホーロー加工は、耐久性のある材質で、直火にかけることもできます。
さらに、テリーヌは型に入れたまま長く保存することも多いですが、ホーローはニオイ移りもしにくいという特長を持っているので安心です。
ル・クルーゼやストウブのテリーヌ型は、火入れにとっても優れていて、お手入れも簡単な作り・加工がされている価格になっています。
数千円のテリーヌ型
一方、数千円で買えるテリーヌ型は、陶器でできています。
それでも数千円はするものですから、ただの「型」にしてはまあまあのお値段です。ル・クルーゼやストウブではないテリーヌ型ってどうなの?使えないの?かといいますと、そんなことはありません。
僕が仕事でル・クルーゼやストウブ以外に愛用していたのが、陶器でできたこういったタイプのテリーヌ型です。
ル・クルーゼや、ストウブの鋳物のテリーヌ型と比べるとお値段も手頃で、重さもだいぶ軽いです。陶器のテリーヌ型でも、お肉のテリーヌやホタテのテリーヌなどの火入れは、バッチリです。全く問題ありませんでした。
仕事で使っていると、テリーヌ型を冷蔵庫から出して中のテリーヌを切って、また冷蔵庫にしまってという作業が多いので、この型の軽さは本当に助かります。
陶器のテリーヌ型を軽さで選ぶのはありです。
ただ、ストウブやル・クルーゼのテリーヌ型が欲しいけど、高いから、陶器のテリーヌ型を選ぶというのであれば、個人的にはあまりおすすめしません。
なぜかと言いますと、ストウブやル・クルーゼのテリーヌ型は、大事にきれいに使えば一生モノどころか子供にも引き継げるくらいの耐久性があるからです。
更に、ちょっといやらしい話をしますと、ストウブやル・クルーゼのようなブランド力のあるテリーヌ型は、ヤフオクやメルカリなどでけっこう高く売れるのです。その価格差は陶器のテリーヌ型とあまり変わらないのです。
テリーヌ型を他のもので代用できる?
ストウブやル・クルーゼのテリーヌ型は、そのまま食卓に並べられる見た目ですし、質実剛健な作りからプロの世界でも使われているわけですが、そうは言っても、まあまあのお値段がします。
なので、試しに作ってみたいとか、今回のパーティーにだけ使いたい、という人にとっては、ストウブやル・クルーゼのテリーヌ型を買うというのはちょっとハードルが高いかもしれません。
テリーヌ型を何かで代用できないか?
まず、テリーヌ型で火を入れないものの場合は何でも代用できます。
ゼリー寄せとか、他の鍋で煮たものをテリーヌ型に流すものや、ただ型に詰めていってぎゅっと押して形にするもの、などはタッパーや、お菓子の缶やケーキを焼くパウンド型などにラップを敷けばそれで十分です。
火を入れるテリーヌを作る場合は、タッパーやお菓子の缶などは使えませんが、、ケーキの型はモノによってはいけます。上の写真のような物は”継ぎ目”があるので向いていませんが、継ぎ目のないパウンドケーキの型なら、テリーヌ型の代用ができます。
ただ、このパウンド型とテリーヌ型の大きな違いは、型自体が薄いので熱が中身にダイレクトに伝わってしまうことです。
なのでこの型の外側にタオル、布巾などを巻きつけてなるべく外側全体を覆うようにして、しっかりと輪ゴムで留めます。そうすれば、ゆっくりと中身に熱が伝わるようになります。
僕が以前働いていたところにはテリーヌ型がなく、仕方なくこの方法でパテ・ド・カンパーニュを焼いていたので、実績はあります。
ただ、温度設定、時間などは、ある程度試行錯誤する必要があると思います。
テリーヌのレシピ


